2019東大理系数学に見るメッセージ

ここで個別の解説はしません。もしも質問があれば私に直接連絡してください。
以下は私個人の意見ですのであくまで参考にしてください。


「何を言いたいか」
というと
「東大も簡単な問題を出すようになった」
という事です。


2000台後半では理科系の数学では合格者の中でも6問中0問完答でも合格したという年もちらほらでした(理科一類、二類)。私達の世代の理科一類、理科二類では
「1問完答、残りの時間で1問分部分点を稼げ(20点分)。目標合計40点分プラスアルファ」

と言われました。
すなわち
「それだけ難易の選択を誤れないもしくは見抜けない」
問題が多かったのです。

ですが、近年では違います。上記のように明らかに
「これは解いてね。簡単だから。しくじれないから」

と言わんばかりの大学からのメッセージです。高田高校、直江津中等でも定期テストのラストの問題で、このレベルを課してもおかしくは有りません。問題は全体的には難しくなったと思いますが
・一部明らかに簡単になった
・難易度の選択は本当に簡単になり、必ず取るべきところは見えるようになった

これが本年度の東大理系数学の特徴です。

受験関係者で東大、京大などの旧帝大、早稲田、慶應などの有名大学の問題に目を通さないものははっきり言って
「似非(えせ)」

です。

まがい者にしかすぎません。

理由は上記の大学は

・受験者層のレベルが高度かつ膨大な人数がいる故、高度なスクリーニングが必要

結果

・誰も考えられない最新の傾向に触れるようなことになる

からです。

※ 勿論駄作もある。

具体例を言います。

慶應医学部医学科1988年の化学からの出題。

問題:グルコースの環状構造を二通りかけ。

これは、現在センターレベルの受験生でも書けます。ですが、当時受験生レベルでは殆ど(慶應医学部受験レベルでも)書けませんでした。

勿論私はこの時受験生ではありません。小学生にもなっていません。ですが、化学の過去問をやりこんでいくうちに解ったのですが、この後からほかの大学で、上記の問題が雨後の竹の子のように増えていくのです。当時、不思議に思ったので化学の先生に聞きました。

「なんでこんな増えたんですが」

「慶應が出したからオッケーって思ったからに決まってんだろww」
だとのこと。

なるほどな。

大学でもそうですが、物事には
「格」
というものが存在し(大人の人たちは皆知っています)、どこかしらない大学が
「超優れた問題を出題」

しても
「それ、あんたの生徒とけないでしょww」
と後ろ指指されて話題にもならないのです。これが現実です。またあまりにも簡単な問題を出したら
「え、あんたの大学その程度の問題で生徒より分けられるの。テラワロスww」
と嘲笑を食らいます。作問には大学のプライドがかかっていたりもします。
※ すべてではありません。医科大学のように数学は外部からきた教授が作ることもあります。滋賀医大は本当に難易度高いです。

ですから今回東大
「定積分」
というオーソドックスなフィールド
「簡単な置換積分」
を出題したという事は

「あ、じゃあうちの大学で出しても恥じゃないのね。良かった」
といろんな大学の教授が作問ということに関して胸をなでおろすわけですよ。
個人的には来年度の入試には
・定積分および積分計算、体積計算
が各大学で頻出になると予測されます。

基礎、基本そして標準問題を制すれば先が見えてくる。私ではなく東大が示してくれました。これは受験生にとっては大きな道しるべ(Mile Stone)ではないでしょうか。

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