自分がぶち当たった数学の壁

私自身、現在数学を中心に理系科目を教えている。
高校時代は怪我によってあまり勉強できず、不完全燃焼だったため、浪人時代は死にもの狂いで勉強した。自分には勉学の才能が無いと自覚していたため、浪人時代は
「努力で一番になろう」

と決めていた。
それこそわき目もふらずに勉強した。
・朝は五時起きで予習
・朝一番に自習室に行き、予習と復習
・授業はびっちり受ける
・復習はそのうちに完璧にやる
・寮に帰っても復習は繰り返しやる(英語は音読もする)
・就寝は大体深夜2~3時

成績は上がった。


実は現役、浪人通じて一番の得意科目だったのは
「英語」

である。

現役でもセンター模試では170点を切ったことはなく、同級生にも教えていた。そもそも現役時代にも英作文でVery good!!と返答されていたりと結構自信を持っていた。
浪人時代はセンター模試では198点か197点以外取っておらず(満点は一度も取ったことが無い)、代ゼミ新潟校で勝てなかったのは、阪大医学部に合格したE君のみであった。一番頭の冴えていた時期は、80分のセンター模試で半分の時間で十分に解ききれていた。

次に得意だったのが

「物理」

である。これは現在も代々木ゼミナールで教鞭をとられておる
「為近和彦先生」
のおかげである。偏差値も70を切った思い出は無い。

実は
「数学」
は並であった。偏差値65前後
で、医学部医学科を狙うには心もとない数字であった。めちゃくちゃ努力したのに伸び悩んだ。整数問題と確率が苦手だったのだ。
※ 覚悟はしていた。自分のポテンシャルならどうせその程度だと思った。

「化学」

は最初から苦手で、最後まで苦手であった。偏差値60超えれば御の字であった。


※ ここでいう努力とは
・毎朝顔を洗うときに過労で鼻血が出る
・昼めしを山盛り食べて、夕飯は3杯のごはんをおかわりして、夜食にカップラーメンを2つ毎日食べて、一年間で7キロ痩せるほど勉強する努力量。
(脳は使えば使うほどエネルギーを消費することが証明できた。個人的には物理の電磁気、単振動と数学の回転体の体積が一番エネルギーを食う気がした。なんじゃそりゃ)

医学部医学科は良くてB判定、大体C判定でも早稲田理工ではほぼほぼ常にA判定が出ていたし、自分のスタンスでは
「受かったら医学部、ダメでも土木工学科(現在の社会環境工学科)でやりたいことがあるから」

ということであまり気にしてはいなかった。

さて、センターで大失敗したので医学部は無事に落ちて(?)早稲田大学入学後。

当時の土木工学科(社会環境工学科)というのは数学の必修単位が16単位もあり
「数学科」
と同じだけの単位が必要
であった。兎に角数学をやるのである。微積分基礎、線形台数にはじまり統計、微分方程式、統計、解析(熱力学、電磁気含め)、解析特論(解析重視なのである)。更に、物理学にも数学が絡められ、構造静力学、構造動力学にも解析学が絡み、解析特論を取らないと卒業までに単位が足りない。数学のオンパレードである。解析は努力でどうにかなるのである(高校でいうと微積分にちかいもの思ってほしい)。

さてここからが本題である。

初めて努力で越えられない壁が現れた。大学三年生でやる
「複素解析学」
というものである。勿論テスト前はがりがりに演習して、半分暗記で乗り切り、成績は良かったものの、何一つ理論が解らなかった。同期の友人に質問し
「だから、こうなるでしょ」

というのだが、さっぱり解らなかった。どうしても
「特異点の処理とその場合分け」

が解らかったのである。
そう、数学では解らないというのは
「見えない」
のである。別に数学で飯を食っていこうなどとは考えていなかった。でも
「努力でどうにもならない壁が数学には存在する」

という事を肌身を持って感じた。

そして、今現在数学ならび他の学問を勉強している生徒達にもわかってほしい。必ず壁は存在する。だが、高校3年生までの受験数学程度ならば、センスが無かった私自身でも
「偏差値65」
程度ならばなんとかなったという事
である。
適切なトレーニングをして上手に努力すれば偏差値70の壁を越えられるかもしれない。

だが、高校数学と大学数学は別問題である。一定水準の大学の数学科に入るメンツは高校で大ナタを振るったつわものたちばかりである。知り合いはお茶の水大学の数学科出身で、数学が大得意で別に勉強しなくても、数学の偏差値は70を切ったことはなかったそうだ。でも、ものの見事に大学では何も解らず挫折したそうだ(今は大手企業の経営企画室に在籍している。文系職である)。大学の数学科というのはそういう高校時代に数学で大ナタを振るった者たちを1%くらいにふるいにかける、ある意味「残酷な学科」であるともいえるのである。

数学で自信を無くさないでほしい。身の回りにいる数学の先生が全て
「東京大学数学科大学院卒」「京都大学数学科大学院卒」

という華々しい経歴ではないはずだ。高校数学までならば適切なトレーニングと努力でどうにでもなる。幸い2019年度の東大入試の第一問は
「超絶簡単な積分計算」
が出題された。これは、出題者側も
「うーん、最近の受験生心配だな。これは出来てほしいな~」
という憂慮なのかもしれない。
※ 本当のところは解らない。〇会の入試検討会では「あまりにも簡単すぎてコメント不可」にされていた。

数学ならびに、勉強でお困りの方は当校の門をたたいほしい。

「努力する覚悟」があればきっと「いい未来」につながる引き金を引くことが出来るはずである。

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